みりん梅酒ってどうよ
みりんと言うと「調味料」を思い浮かべるから、
「みりんなんて調味料で、飲む物じゃない」
「味醂飲むなんてどんだけアル中なんだ」
まあもっともです。
そう思ってた時期がじうにもありました。
いつだったか、「味醂で梅酒を作るレシピ」が公開されて
物議を醸し出しました。
「ワインで作る梅酒」ってのも物議を醸しましたがww
それはまず置いておいて、
現在市販されていると思われるみりんの種類はざっくりと
①本みりん
米焼酎の中に、蒸したもち米と麹を入れて
麹の酵素の力でデンプンを糖に変えて甘みを出します。
米をかみ続けると甘くなったり お粥に麹を入れると甘酒になるのと同じ原理です。
（物によっては糖類添加） 度数１４度
②発酵調味料
みりんの製造工程で塩を加えて 飲用できないようにしています（税金の関係）
③みりん風調味料
アルコール度数１％未満で、 水飴や糖類に調味料を入れてみりんッぽい感じにした物です。
アルコール分がないので腐らないように糖度を上げてます。
みりんは江戸の昔、甘いお酒として飲まれていました。
みりんに香り付けで薬草等入れたのが、正月に飲むオトソ（お屠蘇）です。
甘い物が貴重な時代は、重宝されていて、 当時は普通のお酒よりも高価でした。
焼酎を足して甘さを薄め飲みやすくした 「直し（柳陰）」なども有ります。
その後徐々に味醂が調味料として使われ始めました。
酒なので酒屋でしか買えません。
税率もお酒と同じです。
ところが分類を「調味料」とすることで税金が安くなるため
②の発酵調味料が出来ました。
さらに工業化・時間短縮・大量生産・を追求して出来た物が③のみりん風調味料です。
これだと酒類じゃないので、一般のお店でも売れます。
①の本みりんでもそのほとんどが、時間短縮・大量生産のため
みりんを醸造アルコールで薄めて糖類を足していて、
純粋にもち米・米麹・米焼酎と本来の製法で作っているみりんは
「本格みりん」と呼ばれてるようです。
有名なところでは「三河みりん」が有ります。
何年も熟成した三河みりんはとても美味しいと言う話です。
乱暴に言うと「甘いもち米リキュール」が みりんの正体です。
「みりん梅酒」はこの本みりんで作ります。
できれば糖類を足していない本格みりんを使います。
で、なぜ物議を醸したのかは「酒税法」に絡む部分。
酒税法では個人で酒を造るのが禁止されています。
自己消費でも駄目です。
酒は、造るのも売るのも免許が必要です。
その法律の中に「２０度未満の酒に果実などを漬けては駄目。」※１ とあります。
みりん・日本酒・ワインは１４度前後で、違法になります。
じゃあ、みりんに焼酎を足して２０度以上にすれば？
「カクテルや水割りのように、すぐ飲む用途以外で他の液体を混ぜたらいかん。」
・・・・・チッ・・
じゃあ、自分で３５度とかの高い度数の焼酎に米と麹を入れて、
２０度以上有るみりんを作ってしまえば？
「酒には米とか穀物（葡萄含む）をいれたらいけん」※２
・・・・・・・・・・・
チッ・・
ってな理由で、 みりん・ワイン・日本酒等で果実酒は作れません。
度数が少ないので飲みやすく、
砂糖の甘みとは違うので口当たりがソフトだと噂の みりん梅酒。
どうしても作ってみたい梅酒マニアの人、
手・瓶・梅などリカーで念入りに消毒をして（度数が低いので腐りやすい・発酵しやすい）
本みりん1L・梅500gを瓶に入れて 直射日光の当たらない涼しい場所に保管。
冷蔵庫では腐敗・発酵の危険性は下がりますが エキス抽出は遅くなります。
梅の水分で度数は５〜１０度前後下がります。
たまにぐるぐる回して、 浮いてる部分が入れ替わるようにします。
（丸めたラップで落とし蓋してもいいらしい）
浮いてる部分が変色するのは良くある事なので問題なし。
梅を一度冷凍すると、エキス抽出が早くなります。
半年くらいで十分エキスが出ます。
↑なんて事をしてはいけません。違法です。
25〜35度の米焼酎（もしくはリカー）１Ｌ・ 蒸したもち米４〜５合・麹１合を混ぜて密閉瓶に。
温かい場所で２ヶ月〜半年。
漉して１年〜数年 これも水分で１０度前後下がると思ってください。
↑なんて事もしてはいけません。違法です。
え？税務署と同じ町内会のじうが そんな真似をするはず無いじゃないですか。
ましてやインターネットのウェブという公の場所で
「僕はこんな悪い事をしています」と宣言するなんて。
情報としてです情報。
※１ 度数が低いと、果実や穀物に付いている酵母（イースト菌とか）が
活動を初めて、アルコールが出来てしまうため、酒を製造したとみなされる。
阿呆な法律だ。
※２ 上と同じ内容で、「酒の原料」などは特に駄目らしい。
