BBQグリルの燃焼効率AGEたい
皆様御存知の通りBBQグリルって、鉄板(鉄・SUS共に)で燃える炭を区切ってて
炭の輻射熱で食材を焼くシステムです。
食材が焼ける熱は炭から出てる熱量のすべてが食材に届く熱ではありません。
燃焼室の側面に伝導・外部に放射しています。
七輪は耐火断熱性の高い珪藻土で燃焼室が出来ていて周囲に逃げる熱があまり無く
その殆どが上部の食材へ行く効率的な構造です。
そこでBBQグリルの燃焼室の側面を断熱(遮熱)してしまおうと思い立ったわけであります。
素人が素人考えで。
耐火材で断熱性能のあるもの。熱伝導率の低いもの。
金属材はどうやっても伝導率が高いのでそれ以外・・と考えてて*1
そういえばどこかのメーカーのグリルはセラミックで囲ってるなと思い出して
アレも構造的にコンパクトなケース表面に行く炭の熱をなるべく減らそうと
セラミック置いて空間開けてステンで遮熱してる。
ほぼほぼ考え方は共通している。よしセラミックパネルだ!
とセラミックパネルを探すも業務用でお値段高い。
ある日百均散歩してて目に飛び込んだのか珪藻土コースター。
これだよ!
でも他の成分が・・・これは硫酸カルシウムすなわち石膏。他の商品にはパルプとかなにコレなんで?と思ったら
吸水性と蒸発性を高くするのになんだね。まあコップ置きだものねぇ
でそこに有ったのがセラミックのコースター。
試しに購入した。セラミックコースターは後ろにコルク板が貼り付けてある。
おそらく衝撃に弱いんじゃないかと。
硬いテーブルと硬質のガラスにサンドイッチされると
コップを置いた衝撃が硬いテーブルに反射して返ってきてコップに反射して
またテーブルで反射してそれを繰り返し応耐力を超えたその瞬間・・・
とまるで誰かの打撃系必殺技のようにセラミック板を内側より破壊し尽くすのじゃ。
このセラミックコースターは「陶器」。皿とか花瓶とかね。
ちなみに弾くと高温でキーンってなる透き通った感じの茶碗は「磁器」。
そうセラミックは有機物以外の焼物の総称で、素焼きのレンガから近代技術で作られた高温炉の素材まで様々。
ガスコンロの魚焼きグリルの上部平面燃焼板とか
カセットガスストーブの平面で赤くなる部分とかは
ファインセラミック(多孔質セラミック)で、細かい穴からガスが出て表面で燃焼し、
セラミックを真っ赤に熱して板の全面の広い面積で熱するので均等に焼けたり熱が広がる。*2
前出のセラミック板のBBQグリルは耐火断熱のものでガス穴の空いていない多孔質セラミックではないかと思います。*3
で、物は試しと焼肉の時にコンロの側面の半分に並べて置いてみました。
正方形のセラミックと硅藻土、反対側には長方形の珪藻土。
汚れが嫌なのでアルミホイルを敷きます。
で、焼肉スタート。
すっかり忘れて肉ジュウジュウしてたけど片側の火の勢いが弱い。
後からわかったけどサンプル置いてる方だった。
焼肉も終わってアルミホイルを剥がすと
珪藻土ものは全て割れてました。
割れたこいつらは珪藻土コースター。正方形のと長方形の。長方形は石膏の他パルプとか入ってたな。
↓セラミックは割れてません。さすがすごいぜ俺らのセラミック!
珪藻土コースターが割れたのは石膏とか入ってたせいだろうと思う。
石膏の配合が多いんじゃないかと。
でも火の勢いが弱かったのはなんでなんだぜ?
ということで次回の実験
①セラミックで囲んだ場所と囲んでない場所の火の勢いの再確認。
焼いてた肉の種類が違うので滴り落ちる脂の量で違う風に感じたか、構造的に空気の入り方が違ったか
②厚みを増やす
おそらく直感的に理解はしてるんだけどこの商品の6mmって厚みじゃおそらく
圧倒的な炭火の熱量でセラミックでも肉が焼けそうって事は理解る。
そもそもコースターだし。
なので2~3枚と増やして厚みを増してちょっと試そうと。でも厚みを増やすということは他の素材も候補に上がるわけで
③その他の素材ではどうなのか。
砂やパーライトを混ぜた素材でどれが断熱耐火性能がいいのかを比較検証しようとしてた時期があって
A:庭の粘土に混ぜて乾燥させたやつ→焼けば素焼きレンガ
B:耐火コンクリに混ぜて固めたやつ
の2種の素材で、砂とパーライトの配合変えて、断熱性と脆さの耐久性を調べようと試験片を作成していました。
大きめのBBQグリルかバーナーで炙る予定でした。8年近く前の物。
それを引っ張り出してそれも試してみよう。
熱伝導率で検証すると陶器よりパーライトモルタルのほうが圧倒的に低いので
下手したら庭を掘り起こして粘土とパーライト混ぜた物を使うほうが
やりたいことに適してる気がする。気のせいだと思うけど。
他に手軽で安価で加工しやすくてコンパクトなものがないかな。
25mmケイカル板や12mm石膏ボードの耐火材は持ってるけど
石膏ボードは内部に含有した水分で「耐火」してるので600度とかの高温にさらされると
中の水分蒸発して割れてしまう。(コースター割れ原因が多分これ)
あくまでも建物の火災時に逃げる間だけ炎を防ぐ商品。
常時火にさらせるものじゃないです。
ケイカル板は厚み有りすぎでバーナー加工とか他のBBQグリルの台しか使えないな。
まあそもそもこの思いつき自体、炭に触れている部分全てを断熱してこその効果で
側面に断熱パネル置いた所で底面の空気孔の金属から側面に伝導する熱はどうしようもないし。
持続している高熱を大体からしてあんな薄い板でどれだけ遮断できるのか?
ちなみに熱伝導率(W/m ・K)で鉄 75に対して
陶器は 1.08~1.73
レンガ 0.38~0.52
コンクリート 0.9
これは1mの素材の端々で計測した性能なので実際問題1/100程度じゃどれでも変わらないだろうなと。
燃焼室の外側の鉄板1枚遮蔽の温度が600度から数枚のセラミック板置いて仮に550度になった所で
焼き加減にどれだけの差ができるのか
有孔ケイカルを底敷きにして側面も12mmのケイカル版で覆えば良いんじゃないか
とか
そこまでやるくらいならもう「横長の大型七輪買っちゃえよ」って
身もふたもない悪魔*4がささやく今日も今も俺の中で。
※1
SUSの伝導率は金属にしては低いので中空のパネルにすれば断熱効果は期待できるが
コンパクトで厚みの少ないものがどれだけの性能あるのか不明
※2
ちなみにセラミックの遠赤外線の放出量は多いほうなので
「セラミックパネルで美味しく焼ける」だの「芯から温まる。」なんて謳い文句になる。
だけど今は解散したらしいけど遠赤外線協会ってのが有って、そこでの実証実験結果から
遠赤外線が多いからと言って食材が劇的に美味しくなったり
他の熱源より体が芯から温まるなどの特殊な効果は無いので
エセ科学商品には騙されないように。と発表されていました。
パネル式魚焼きは一本のガスの炎より全面の炎で均等に焼くから美味しいのであり
それは全面の熱で焼く炭火と同じ意味。
コンロの上に乗せて魚やもちを焼くセラミックの板も同じ原理。
当然熱の入り方も総熱量が圧倒的に多いから四方八方から熱が食材の奥に伝わると言うだけの話。
遠赤外線効果の入る隙間は(あんまり)ない。
ヒーターは炎の点熱源より全面熱源のほうが当然温かみを多く感じる。
遠赤外線は皮膚の深い所に届くと言うけれど、深さの到達比較対象スケールがマイクロ単位の話であって実際は0.1~2mmで、
あくまでも皮膚表面の話で肉や骨まで届くわけでもない。
まあ実際に暖める効果は在るのだからより広範囲に熱を感じられると言うだけ。
当然大量に放出されてるからと言って食材の奥に届いて内部から焼く訳でも無い。そんなのは電子レンジとかの高エネルギーの場合。
2.4GHのマイクロウェーブが水分に対して一番効率よく機能する。
それを人工的にビームのような状態で対照に高速で大量に当ててるので沸騰までしちゃうのが電子レンジ。
自然に発生する遠赤外線(更に波長が短い)にそんなすごい効果なんて無い。
※3
多孔質セラミックは構造上、穴が貫通しててフィルターに使われたり
中空で断熱性能が高いもの、溝だけでなど種類があるらしいです。
しかも焼物のように偶然できる孔ではなくミクロ単位で計算して造ることが可能というすごい技術。
-----まとめ
注釈にも描いたけど調理に於いての遠赤外線効果なんてものは
メイド喫茶の美味しくなぁれとか
愛妻弁当の愛情スパイスと同じレベルだと思ってください。
真っ赤になってて暖かそうに見えるだけ。「赤く光って見える」のは赤外線で
遠赤外線はそもそも目には全く視えないのでまさにイメージ戦略
まあ遠赤外線ってのがマクロの世界では有意性が在るが実際のスケールの世界ではほぼほぼ差異は無いのと同じで
遮熱板入れようが入れまいが大きな違いが無いんだろうとは思う。
大きな違いは俺が納得するかしないか。
「あーやっぱり(中国籍の)熊本産あさりは美味しいなぁ!」
と同じだな。
仮に偽物でも美味しいと思ったその気持ちは本物だったわけだ。
*1:
※1
SUSの伝導率は金属にしては低いので中空のパネルにすれば断熱効果は期待できるが
コンパクトで厚みの少ないものがどれだけの性能あるのか不明
*2:
※2
ちなみにセラミックの遠赤外線の放出量は多いほうなので
「セラミックパネルで美味しく焼ける」だの「芯から温まる。」なんて謳い文句になる。
だけど今は解散したらしいけど遠赤外線協会ってのが有って、そこでの実証実験結果から
遠赤外線が多いからと言って食材が劇的に美味しくなったり
他の熱源より体が芯から温まるなどの特殊な効果は無いので
エセ科学商品には騙されないように。と発表されていました。
パネル式魚焼きは一本のガスの炎より全面の炎で均等に焼くから美味しいのであり
それは全面の熱で焼く炭火と同じ意味。
コンロの上に乗せて魚やもちを焼くセラミックの板も同じ原理。
当然熱の入り方も総熱量が圧倒的に多いから四方八方から熱が食材の奥に伝わると言うだけの話。
遠赤外線効果の入る隙間は(あんまり)ない。
ヒーターは炎の点熱源より全面熱源のほうが当然温かみを多く感じる。
遠赤外線は皮膚の深い所に届くと言うけれど、深さの到達比較対象スケールがマイクロ単位の話であって実際は0.1~2mmで、
あくまでも皮膚表面の話で肉や骨まで届くわけでもない。
まあ実際に暖める効果は在るのだからより広範囲に熱を感じられると言うだけ。
当然大量に放出されてるからと言って食材の奥に届いて内部から焼く訳でも無い。そんなのは電子レンジとかの高エネルギーの場合。
2.4GHのマイクロウェーブが水分に対して一番効率よく機能する。
それを人工的にビームのような状態で対照に高速で大量に当ててるので沸騰までしちゃうのが電子レンジ。
自然に発生する遠赤外線(更に波長が短い)にそんなすごい効果なんて無い。
*3:
※3
多孔質セラミックは構造上、穴が貫通しててフィルターに使われたり
中空で断熱性能が高いもの、溝だけでなど種類があるらしいです。
しかも焼物のように偶然できる孔ではなくミクロ単位で計算して造ることが可能というすごい技術。
*4:デイモス