夏雪式のブログ

転生したら世界がカレーだったからアウトドアする。訳がわからないが取り敢えず鶏肉を焼く

銅板の焼肉プレート叩いて作ったん.

3ミリ厚の銅板手に入れたので

焼肉鉄板いや銅板作る事にした。

最近極厚の鉄板が旋風をブームしてるが

極厚鉄板と極厚鋳物、極厚アルミと銅やステンの厚板のどれが良いのか?

一長一短なんだろうけど、当然ながら金属の特性で焼き加減や向いてる料理って違う。

特性ってのが熱伝導率と蓄熱量の問題だろうな。反射率や遠赤外線なんてのは些細なものだ。

まあ非鉄金属の特性については比較の時にでも書くとして

今回の焼肉用板を作るにあたり銅の特性を調べる。そして自分のイメージが思ってたよりもうんこだったのを知る。

鉄は真っ赤から急冷する「焼入れ」で硬くなり

200度とかでじっくり焼いて、ゆっくり冷やして粘りが出る「低温焼き戻し」。

真っ赤からゆっくり冷やすと柔らかくなる「焼き鈍し(なまし)」。

だが!銅は鉄と違って急冷しても「焼入れ」にならず、高温から温度が下がって柔らかくなる「焼き鈍し(なまし)」にしかならない。

熱したらアウトなのか?と思ってたら時効硬化と言って、時間が経てば硬くなり

叩いたり曲げたり物理的な力を加えても硬くなるらしい。

ネットでは薄い銅板は焼かずに手で曲げろと有るが、3ミリは無理

なので熱して叩く事にする。

雛型としてDAISOの角スキ200円を買う。コイツの縦幅だとメスティンより広い。

それならメスティンを置く板にも使える。

10mm程の返りが有ればいいので曲がる分を考慮して角スキの底より15mm程大きくマーキングしてジグソーにステン用の刃を付けて慎重にカットする。

マスクと防塵メガネは忘れずに。

切り終えたら次の準備。叩く時に下に引く木の板、固定する鉄製C型クランプ、そして廃材を準備。

庭に穴を掘りトンネルを作って風穴を作り、

廃材をナタで削って燃えやすい大きさに切り放り込んで火をつける。

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ブロワーで風を送って銅板を真っ赤になる感じまで炙る。

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いや廃材沁みるわ目に染みるわすごく染みるわ

失敗。今度は炭にしておく。

 

で、熱々銅板を角スキに乗せて何となくの位置で叩く。

柔らかい!すぐ曲がる。何度か叩いてると硬くなる。

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火に焚べてまた真っ赤にして叩く。

※鍛冶屋のように火の横で作業沁みるので無理

ある程度返しが出来たらまだ厚いうちに角スキに銅板乗せてC型クランプで締め上げて

根気良く叩いていく。

写真は位置合わせで裏返したところ。

返しを作り、歪んだ底面も叩いてカタカタ言わない程度に平らにして

原型完成。

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汚くなったけど最後はサンポールに漬ける。

でもその前にディスクグラインダーで軽く研磨する。

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叩いた跡とグラインダーの削り跡はどうやっても残るけどそれが自作ぽくて良いかと。漢前だと言い聞かせる。

どうせ「焼き板」なので炭火焚き火で使うから変色したり焦げ付いたりするだろう。「銅食器や銅の鍋」って感じにはならない。

って事で荒削りをしてキッチンで耐水ペーパーで更に磨いていく。

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大して変わらんわ。

サンポールを注いで不純物を取り、良く水洗いして乾かしてコンロに乗せて焼入れをする。

中火でじっくりと色が変わるのを見る。

少し経つと銅が赤みを増して輝きを失う。

(右は脂を塗って慌ててやめたので少し色が違う。)

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更に赤みが増す。

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更に熱していると左上から赤みから灰色に変わり

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灰色が通り過ぎたら今度は乾いた銅の色に変わってくる。

この写真は右下に赤みが残ってる。少し上から灰色が追いかけて来て

左上から更に鈍い銅の色が追いかけてる状態。
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右下の赤みがなくなりしばらく灰色も残っていたけど
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そのうち全面鈍い銅の色に変わる。
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なかなか見応えがあった。

この後、脂を敷いて焼くんだけど、サラダ油ではなくラードが良いと書いている。

まぁ最初サラダ油でやっちゃったんだけど。

濡れて色が濃くなる。薄い煙が出る。

出ない程度で温めて脂を蒸発させれば良いと書いてたけどそれは難しいな。

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二回目からはラードを使う。
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4回ほど塗り直して、たまに場所を変えて熱し続ける。

DAISOのスキレット用の板掴みが活躍。
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10〜15分くらいやったかな?野菜くずを炒める。やらなくても変わらない気もするけど儀式だ。
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冷蔵庫に入っていた皮付きウィンナーをテストで焼いてみた。
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弱火でやってるのにも関わらず寄せた野菜は焦げてゆく。

ウインナーはじっくり火が通りめっちゃ美味しい!

食べ終わった後に、皮付きウインナーはどうやって食べても美味い事を思い出した

 

熱伝導率が良いと言うことは、鉄でジュウジュウ言ってる所は銅板で4倍(熱伝導率は鉄の4倍です。)に広がるって事。

何?何を言ってるのかさっぱりわからん?数字で考えると

火が10の熱を焼き板に伝える。10の熱は減らずに焼き板全体に分散され(とする)持続的に空気中に放熱されていく。

絵で書くとこんな感じ。

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なんとなくこんな感じなんだろうと思った。

銅の卵焼きパンで卵焼きを焼くと美味いのは全体に熱を分散してじっくりと焼くからなわけだ。

蓄熱量も高いからで、予熱調理も鉄よりは(同じ厚みの場合)うまくできる訳だ。

今度はきちんと厚みのある鉄板と食べ比べをしてみたいわ。

例えば普通の焼き肉のように中心でガンガン焼いて、焼けたら端に寄せるってやり方は

銅板の場合できない。

銅板で同じくらいガンガン焼こうとしたら端に行く熱の分、鉄より火力が必要になるってことだ。

そして端っこも同じくらい熱い。

でもステーキ肉なんかは均一にじんわり火が通るだろうね。

火を消しても全体的にしばらくは熱いので予熱も考えなきゃいけない。

表面カリッと香ばしくさせようとすると、火が通り過ぎる状態になる。

なるほど使い方を根本から変えなきゃいけない

まあ小さい板なのでそんな極端には変化がないだろうし、大きめのサイズの銅板なんかだと鉄より火力が必要になるので

シングルバーナーで大きめのサイズの銅板使って「大は小を兼ねる」使い方はできなさそう

料理人はこういうのを解って使い分けれるんだろうけど、素人の屋外料理なんかだとちょっと特殊になるかも。

いろいろ試してみよう。

次は同じ程度の厚みの鉄板だ!!(作るんかい!)