ダッチオーブンリストア②・寄り道で出刃包丁
蓋染めがうまく行かないので小出刃包丁を黒染めしてみた。
何かわかることがあるかもしれない。
ガンブルーとかの薬品を買えば次のステップに行けるんだろうけど、金をかけずまずは手元にあるものでやって見る。
駄目でも研ぎ直しは簡単。
と言う事で鍋底に黒錆付けるのに煮込んだ所へ
小出刃包丁を浸けて見る。
100度超えないから焼戻しにはならないので大丈夫だろう。
浸ける前。と言っても写真を撮り忘れたので1分程浸かってたので若干色味が付いてる。
30分ほど浸けた所。
一部くっきりと黒くなってるけど指で触ると黒い色が落ちる。
水溶性のタンニン鉄らしい。これは不要なので剃り落としてもう一度浸ける。
鋳鉄の表面に化学的に出来る不動態膜が必要なのでこれはいらない。
もう一度、1時間ほど浸けたのを洗い落としたところ。
表は峰から平にかけては若干の色は付いてるけど、切刃から先ははっきりわかる位に薄黒くなっている。
とくに切刃でも刃先はクッキリと色が濃い。
裏はほぼ薄黒い。
和包丁の構造で言う「鋼の部分」が染まってる。
包丁は複合金属なので炭素含有量が場所によって違う。
峰は軟鉄で、刃の部分が鋼。
軟鉄は炭素が少なく、鋼は炭素が多い。
(多いが故に硬い。)
つまり色が濃くついてるところは鋼エリア。
鋼に軟鉄を貼り合わせてるだな。一目瞭然。
そして軟鉄程度の炭素含有量じゃ黒サビはつかないと言う事。
ダッチオーブンが黒染めにならないのはそこか?と思って調べると
ねずみ鋳鉄の炭素含有量は鋼よりも多い。
ガンブルーとかの説明で鋳鉄は「茶色くなる超硬金属」扱いされてたからそう言う事なんだろうな。
鋼の数倍も炭素含有量が多いから硬いけど脆い。
鋳鉄が黒く染まらなくて茶色になるのは化学式で説明できるんだろうけど
錆びる前に薄く油を塗って拭き上げて収納。