夏雪式のブログ

転生したら世界がカレーだったからアウトドアする。訳がわからないが取り敢えず鶏肉を焼く

映画「ミスト」を見た・・・

「ミスト」を見ました。

見た人、見てない人いると思うけど、

エンディングは気持ちの良い終わり方じゃないです。

ネットでも賛否両論。 基本この映画はB級映画です。

13日の金曜日とかバタリアン(いちいち古いな) それと同じです。

バタリアンやジェイソンにリアルを求めても仕方ないし

ドバー!カサカサ!ビシャー!!を出さない演出を 求めても仕方ない

見てない人はそう言う前提で見て下さいww

ただし、この映画はB級の癖にやけに深い物を持っています。

 

ネタバレと言うことで、気をつけて下さい。

 

個人的には怪物達はもっと「霧の中の住人」的な

はっきりとさせない形にして欲しかった。

いかにもな怪虫・怪鳥・触手

いや、B級だからコレで良いんだw

それは置いておいて、

「宗教」 軍が「異次元」を調査するのに開いた「窓」

向こうを覗くだけのはずが、 窓から出てきたのは異形の怪物と絶望

 

カルト女が言った「神の領域に踏み込んだ罰

その正しいはずの神の言葉から浸み出てきたのは 「人間の闇

 

神の言葉はどうにでも使える事を証明したカルト女。

 

「職業のコンプレックス」

ホワイトカラーとブルーカラー

高学歴と低学歴

普段は心の底にあるコンプレックス

 

「集団の狂気」

カルト教の狂気じみた「演説」「行動」が、

呆れる位現実離れすればする程主人公達の行動が

フィクションの映画の主人公的には正しい行動であっても

現実には無鉄砲な行動」であることを覆い隠してます

 

結局主人公達も「判断力の低下」「集団の狂気」飲み込まれていました。

等々意外に「対比」が多かったりします。

 

抑圧された環境で徐々に染み出てくる不平不満

それは意外とすぐそこにある軽い「不満」だったりする。

やがて被害妄想気味に拡大してゆく。

人間は集団になると、思考レベルが1段階下ります

リーダーの指示で動いた方考えなくてすむからです。

極限状態ではなおのこと 自分で考える許容範囲を超える

答えや指示を出してくれるリーダーに付きます

その事の怖さがカルト拡大のスピードです。

当初、脱出派にも救出を待つ派にも付かず様子見をしていた大勢は

怪物の襲来・外に出た人間の末路を聞き カルト女の元に簡単に下ってしまいます。

主人公がリーダーシップを発揮していればあるいは違ったでしょう。

しかし主人公は 肝心な部分で寝込んでしまいました(笑)

だから恐怖でおびえた集団声の大きいカルトにリーダーを求めました。

そして集団の狂気「殺人」を「生け贄の儀式」置き換えてしまいます。

この辺りの1連の流れキリスト教圏であるが故でしょうか。

 

聖書に書いてある曖昧な「預言」。

そして原理主義が多いこと。

強い信仰はねじ曲げられても気付かない。

なぜなら根本を振り返ることをしないから

根は有って当然の場所から生えていると疑わない

途中で曲がっていても振り返らないので気付かない

 

カトリックプロテスタントの対立も出ていました。

でもどちらも一緒でしたね。

 

「霧」は「不明瞭」と言う意味合いであちこちにちりばめられてました。

どんな状態にも使える曖昧な「聖書の言葉」も霧。

神の真意は「霧の向こう」にある

 

「人間は善なる物」と女性が言っていたが

人の心の霧の向こうには「」が有る。

「人の行く末」も霧の向こう。

霧が晴れなければ結末は見えない

 

そして賛否両論の結末「最低最悪の結末」 「救いのない結末」 「子供を殺す必要がない」等。

確かに。

でもこのラストでは軍が火炎放射器で霧を払い、 怪物を焼き、

人類の未来を取り戻していきます

「絶望の霧」は軍により取り払われていきます

 

救援トラックの上から彼を見てる女性には未来に希望があります。

彼女は娘を助けに店を出た女性です。

霧が晴れて行くにつれ人類には未来が見えてきます

 

それに対し、絶望の更に向こうに行ってしまった主人公

完全なる絶望」を演出するために

彼は息子まで殺してしまい、

娘を助けに飛び出た女性は助かるのです

完全にダークな結末です。

霧が晴れたら自分の進んでいた道がもう 「絶望の先っぽ」だったと。

これも「霧」

 

まるでゲーム途中の選択肢で間違って間違って

結果、バッドエンディングGAMEOVERッて感じですね。

 

「主人公は正しい」って常識ひっくり返して、

まあ、ここまでは良くあります

ついでに良くある「絶望的なラスト」を「完全な絶望」に変えて、

最後に実は彼は「主人公」では無かった?

娘を救いに怪物のいる霧の中へ飛び出していった 「無茶な」女性

むしろ(ハリウッド映画の)主人公が起こす行動的には

その女性の方が正しい。むしろそう描かれています

もう焼け死んでいる怪物

絶叫しながらモップで叩き続ける主人公とは違います。

実は「ミスト」の本編彼女が主人公

今作はスピンオフ映画?

そんな感じですwww

 

監督が原作と打合せの上、エンディングを変えたそうです。

原作者のキングも「当時それに気付いていればそうした」アイデアだったそうで

個人的感想として、ここまで観客に「絶望を与えれた」事は、

ある意味成功だったと思います。

驚きの結末」としては確かに驚いたし、感嘆しました。

だけどやはり 感情移入した主人公には少しは救いが欲しかったなぁ

この映画を面白いかと聞かれたら、「面白く見る物じゃない」とだけ答えますww